対策が追いつかない 認知症徘徊問題現状

「共通番号(マイナンバー)法」が成立し、2015年10月から「個人番号」の通知が始まる。
このことから ID番号での管理で関係機関での連携スピードがUPして
認知症や高齢者迷子の方が 見つけやすくなり情報を共有して対応できるようになっ
てほしいものです。
アルツハイマー予備軍の段階で 具体的に社会の中でお互いに助け合えるよう
な京都カフェ連絡会の 認知症カフェの取り組みも気になります。
また 看取りを支えるプロフェショナル在宅看取りの活動も
気になります。
制度を知ることで ケアのプロの応援により
可能なことの幅が広がって 現代人の死生観が 変わってきていることも感じています。
しかし以下のような記事(大西 宏のマーケティング・エッセンスから)
を読むと 対策が追いついていないと思うのは 私だけではないと思います。
近い将来 皆行く道です。我がことです。法律1つで世の中が変わることがありま
す。
良い方に変わることを願い 当たり前としてきたことが実は 当たり前ではないこと
に気付き 常識や意識を変え 具体的に行動している方が各方面にいますので動きに
注目しながら僅かでも自分の出来ることから応援していきたいと思うものです。
大西 宏のマーケティング・エッセンスから
徘徊老人こそモバイルで守るという発想をという記事
○警視庁、認知症男性を公園に放置 施設抜け出し保護 – 産経ニュース
介護施設を抜け出し徘徊していた70代の男性が、いったん警察署員に保護されたもの
の、認知症とは気付かず警察官が東京都板橋区内の公園に置き去りにし、その後通行
人にうずくまっているところを発見され保護されたという事件が報導されていまし
た。
○認知症の行方不明者と気づかず…警察・消防保護せず死亡:朝日新聞デジタル
たまたま見ていた朝のテレビ番組で、施設と 通報を受けた警察署と いったん保護
した警察署が異なり、その3つの組織で連携がとれていなかったことが老人の特定を遅
らせた原因で、どうすれば連携できるかが 話しあわれていました。
聞いていて、それでは互いに連絡しあいましょう、情報を共有しましょうという精神
論に終わってしまい、解決にはほど遠いと感じました。
このケースでは運良く発見、保護されましたが、保護されずに死亡するという事故も
起こっています。
物事を解決するには、問題の立て方の筋の良さが求められます。「互いに連絡しあい
情報共有」するにはどうするかを考えるのもいいのですが、それよりは「徘徊した老
人の居場所がいつでもわかる」方法を見つけるほうがいいに決まっています。コスト
や具体的な方法は別にして、GPSと通信機能でいくらでも徘徊している人の正確な位置
を特定できます。時計など身につけるものを嫌がるということであれば靴に仕掛けて
おけばいいのです。
○東京圏高齢者:対策に特効薬なく 施設増設や医療充実図る – 毎日新聞
折しも、創生会議が、2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、要介護者が急増
し、東京圏では対応できなくなると発表していましたが、徘徊老人の通知を受けて、
警察署が動くということでは対策に多くの人員が必要になってしまいます。
○明らかになった認知症の行方不明者1万人 NHK NEWS WEBNHKサイトの記事による
と
おととし1年で認知症で行方不明となり、警察に届けがあったのが全国でのべ9706人に
上り、そのうち死亡が確認された人が351人、おととしの年末時点でも行方不明のまま
という人が208人だったというのです。今でもそれだけの徘徊による行方不明が起こっ
ているですから、2025年を考えるとぞっとします。
○神戸新聞NEXT|社会|徘徊高齢者QRコードで身元確認 小野市、兵庫初
兵庫県の小野市は、6月中旬から、認知症などで、登録した高齢者にQRコード入り
のシールを配布するそうです。徘徊に気がついたときに、スマートフォンなどでコー
ドを読み取ると、市の連絡先が表示される仕組みで、シールに書かれた番号を伝えて
もらうことで、市や警察による迅速な身元確認、保護が可能になるというものです。
できるだけコストをかけずに、老人の安全を守るという発想がないと、高齢者人口が
増えてくる10年後には対応できなくなってしまいそうです。
(2015年6月5日「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載)